小笠原で震度5強
2015年5月30日(土)20時23分頃、小笠原諸島西方沖でマグニチュード8.1の地震が発生。母島・二宮町で最大震度5強、日本全国で体に感じる揺れを観測しました。
最大震度:5強
震源地:小笠原諸島西方沖
マグニチュード:8.1
震源の深さ:約682km
震度5強
【東京都】小笠原村母島
【神奈川県】二宮町中里
震度5弱
【埼玉県】鴻巣市中央、春日部市谷原新田、宮代町笠原
メカニズム
今回の小笠原諸島西方沖の地震は、フィリピン海プレートの下に、太平洋プレートが沈み込んでいる場で発生しました。震源の深さが590kmと非常に深く「深発地震」と呼ばれます。
日本周辺での深発の地震では、過去最大となります。このタイプの地震は、深い場所からプレート内部を伝って揺れが広がるため、広範囲で揺れを観測します。
また揺れ方は、関東の江戸川区のYUREステーションをみてみると、約2分間の長い初期微動(P波)の後、さらに2分以上の主要動(S波)が到達し、非常に長くユラユラと揺れたことがわかります。
関東で特に揺れた理由
ウェザーリポーターのみなさんからの体感報告から、関東エリアの広い範囲で「強い揺れ」と感じた人が多いことが分かりました。
通常の地震の揺れ方は、震源に近い場所が強く揺れ、距離が遠くなるにつれて弱まるものですが、今回は震源からはるか遠い関東でも、震源に近い小笠原と同じくらい揺れたところがありました。
これは300km以上の非常に深い所でおきる「深発地震」によく起こる揺れ方で「異常震域」と呼ばれます。
地震波は固いプレート部分は伝わりやすく、柔らかいマントル部分は伝わりにくい性質があります。震源が深くなると、まわりを柔らかいマントル部分に包まれていることから、地震波の減衰が大きく、逆に固いプレートは地震波が伝わりやすくなります。
今回は地震波の伝わりやすい太平洋プレートを伝って、日本海溝で接触している北米プレートにも伝搬し、遠く離れた関東でも震度5強の揺れを引き起こしました。