戻る

冬の南岸低気圧

冬のこの時期、関東に雪が降るかどうかの鍵を握るのは「南岸低気圧」です。

南岸低気圧とは

南岸低気圧はその名の通り、日本の本州南岸近くを通る低気圧のことです。

この低気圧自体は雨を降らせるものですが、低気圧が引き込む「寒気」によって、雨が雪となって降ってくることが多いのが特徴です。

首都圏など関東の大雪のほとんどが、この南岸低気圧によるものです。

雨か雪かの決め手

関東で「雨か雪か」、雪の場合「どれくらい積もるのか」、それぞれ左右するのは「気温」です。6℃を切ると湿度との絡みで雪の可能性が出てきます。

そして、その気温を決めるのが南岸低気圧のコース発達具合。大雪の条件は「発達した低気圧が、関東に近づき過ぎない距離で通過する時」です。

低気圧のコース
・雪の目安は、八丈島の少し北側を通過するコースです。(Bコース)
・それより近づき過ぎると、低気圧が持つ暖かい空気が入り、雨になります。(Aコース)
・反対に、離れすぎると、低気圧の雪雲が陸地に届かなくなります。(Cコース)

低気圧の発達具体
・低気圧が発達して雪の降り方が強いと、気温が下がり雪のまま経過しやすくなります。
・反対に、降り方が弱いと気温があまり下がらず、雨よりとなる場合があります。

コースのちょっとしたずれ、ちょっとした発達状況によって気温が変わるため、大雨から大雪まで大きな幅があります。たった1℃の変化によって雨か雪かが変わるため、非常に予想が難しい所です。

南岸低気圧は週一発生

ウェザーニュース予報センターによる現段階の長期見解では、2月いっぱいまでは、ほぼ毎週、南岸低気圧の発生する可能性が示唆されています。

もともと今シーズンは、エルニーニョ現象の影響で寒気の流れ込み自体が弱くなっています。そのため、南岸低気圧による寒気の引き込み効果も少なく、首都圏では雪よりも雨になる日が多い予想です。

ただ、暖冬の年も一時的に寒気の流れこみが強まるタイミングがあり、その時に南岸低気圧が通過すると雪リスクが高まります。

週間予報や天気図等、最新の情報にご注意ください。

提供:株式会社ウェザーニューズ