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春一番

九州北部・北陸に続き、関東も「春一番」が吹いたと発表されました。

春一番は、新しい季節の訪れを告げる一方で、非常に危険な面も持ち合わせています。言葉のイメージとは違う、その内容について解説します。

春の低気圧

春は、日本付近で低気圧が急速に発達するパターンが多くなります。

日本列島を通過する低気圧には、日本海を通るものと日本の南岸を通るものがあります。

左図の低気圧が日本海を通る時は、低気圧に向かって風が吹きこむため、全国的に暖かい南風が強く吹きやすくなります。春一番はこのパターンになります。

一方、右図の低気圧が日本の南岸を通過する時は、北からの冷たい空気が流れ込み、太平洋側でも雨ではなく雪になることがあります。

また、この低気圧が、三陸沖や日本の東の海上で急速に発達すると、北日本に暴風雨や暴風雪をもたらすことがあります。

3月~5月は、春の嵐シーズンのため、十分注意が必要です。

春一番は災害の危険

春一番が吹くと気温が上がり、ポカポカと過ごしやすい陽気になります。

ただ、乾燥した風が強く吹き付ける春一番は、小さな火を大火災にまで発展させてしまう恐れもあります。

また、春の気温上昇は雪崩を誘発することもあり、冬山登山やスキーを楽しむ方が巻き込まれてしまう危険性があります。

さらに、凄まじい春一番で海がしけて船が転覆したり、突風によって釣り人が海中へ転落するといった事故も起こりやすくなります。この時期、関東や関西で船釣りが盛んになるので、十分な注意が必要です。

そして、低気圧が日本海を通過した後は、再び冬型の気圧配置となり、寒暖の差が大きくなることも特徴です。

春一番の発表

春一番とは、立春の後に初めて吹く、風速8m以上(九州北部では風速7m以上)の強い南風のことです。

上のマップは各地の春一番吹いた「感」を聞いてみたものですが、石川や富山で「吹いた」との回答がやや多くなっています。

17日(金)午前8時までに観測された、最大瞬間風速は次のとおりです。

新潟  5.7m/s(西南西)
金沢  16.9m/s(南南西)
富山  13.8m/s(南)
福井  5.6m/s(南)

また、こちらは関東での回答マップです。「吹いた」と回答の方が多くなっています。

17日(金)午前10時までに観測された最大瞬間風速は、次のとおりです。

東京  18.0m/s(南南西)
横浜  19.1m/s(南西)
千葉  21.7m/s(南)


Oh❣️Ruriさん(神奈川県川崎市)

提供:株式会社ウェザーニューズ