減災調査2012
避難の心づもりの変化
いつ、どこで遭うかわからない大災害。万が一、避難しなければならなくなった時の意識も2010年と比較しています。そこには、家族の“絆”が数字にも見え隠れしています。
自らの判断で行動する時代に
2010年の調査では自治体からの支持を待つ人がやや多く、自ら行動する人、様子を見る人と人によって判断の基準が分かれている状況でしたが、今回の調査では自分で状況判断する人の割合が一番多くなりました。外部からの連絡を待つよりも、まず自ら行動しようという傾向がでてきたといえます。
家族間の避難意識も向上
さらに家族間での避難に対する意識にも変化が出てきました。まず、避難場所を決めているかという点では、2010年に比べると約半数までに避難場所を決めている人が増加しています。
連絡手段に関しては携帯電話よりも、「伝言ダイヤル」を使用するという人が若干増加しました。大震災の際は携帯電話網が寸断されたという経験が影響した可能性があります。
探すのか、待つのか
災害が発生した後、連絡がつかない人を探しに行くかどうかという設問については、『待ち合わせ場所で待つ』という回答が増加したとともに、『探しに行く』という回答も合わせて増加している点が意外な結果となりました。
津波を経験してもなお探す
エリア別に見て見ると『待ち合わせ場所で待つ』という人の割合が多いのが関東と東海でした。震災時に帰宅困難を経験したからか、動いてもどうしようもない、という心理が働いているのかもしれません。
一方で東北、および近畿エリアでは『探しに行く』の割合が多くなっています。特に東北では津波被害を経験してもなお、『探しに行く』という人が多いということになります。
子供を持つ親の責任感
さらに東北の回答を年代別で分析。そこで『探しに行く』と答えている割合が多いのは40代周辺の層だということがわかります。
まだ小さな子供を持つ親の世代だとすれば、たとえ自分が、どんな状況であろうとも、自分の子供を探すのが優先と考える親心がこの数字に表れているのだと考えられます。