減災調査2017

帰宅困難

甚大な津波被害の裏で、現代ならではの大きな影響が首都圏で発生しました。それが「帰宅困難」です。

帰宅時間は普段の7倍に


2011年実施の帰宅困難調査より

内閣府が2011年11月22日に発表した、インターネット調査に基づく推計では、首都圏で合計515万人が当日自宅に帰れない帰宅困難者となりました。

また、2011年にウェザーニューズが行った調査では、関東地方在住で電車や車を利用して通勤している人が、震災後帰宅するのにかかった時間は、平均で普段の7倍に達しました。

そして、地震発生時の外出者の約28%が、当日中に帰宅できなかったといわれています。

行動意識の変化

「帰宅困難」という言葉は、震災以後よく聞くようになりましたが、次第に行動意識は変化していることがわかりました。

いま帰宅困難の状況に陥った場合、その後どう行動するのかを、ウェザーニュース会員15,000名の方から回答をいただきました。

関東エリアに限定し、2011年の調査と比較したのが上のグラフです。ポイントは「歩いてでも帰る」と回答した割合が高まっている点です。

全く同じ人が回答しているわけではないので、一概には言えませんが、当時から6年経ち意識に変化のでている可能性があります。

西ほど歩いて帰る割合高い

次に、エリア別の回答割合の比較をしてみました。結果は、東日本よりも西日本のほうが、歩いて帰宅する回答が高い傾向です。

もちろん、都市の交通事情や人口密集状況に差がありますので「帰宅困難」の状況自体も異なります。

ただ、まだ大規模な帰宅困難を経験していないエリアほど、とどまらずに歩いて帰るという意識の人が多いのかもしれません。

歩いて帰宅する場合

企業や事業所など、多くの人が集まる場所においてのガイドラインは『その場にとどまる』ことが対策として決められています。

それは大勢の人々が一斉に移動することによる、混乱と二次災害を防ぐためです。

余震、建物の倒壊、転倒による怪我などなど、有事は外で何が起きるかわかりません。

歩いて移動せざるを得ない場合『リスクが有る場所に足を踏み入れる』ことを意識し、行動することが重要です。

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提供:株式会社ウェザーニューズ